空き家を処分したい方におすすめ!更地にするかそのまま譲渡するかの違いを解説

空き家を処分したい方におすすめ!更地にするかそのまま譲渡するかの違いを解説

空き家を所有している方は、処分方法にお悩みではないでしょうか。
更地にしてから売却するのか、そのままの状態で譲渡するのか、どちらがより良い売却につながるのかと考えるでしょう。
こちらの記事では、空き家を更地にしてから処分するかそのまま処分するかのメリットとデメリットを解説します。

空き家を更地にして処分するメリットとデメリット

空き家を更地にして処分するメリットとデメリット

更地にしておくと、新築物件を建てたい方にとって、土地の形やサイズをイメージしやすいメリットがあります。
一般的に、建物が建っている状態で売却するより、更地にしてから売却するほうが買い手が見つかりやすいといわれています。
空き家を更地にして売却するメリットとデメリットを以下で確認しましょう。

メリット①:土地の状態がわかりやすい

建物を解体した土地は、地中に埋まった物の確認や土壌の調査、地盤の調査などが簡単にできる状態となるため土地の状態が確認しやすくなります。
建物を建てる際は、地盤の調査をして、地盤が緩くなっている場合には地盤の改良をする必要があります。
しかし、建物が建っている土地の場合、建物が建ってから数年経過しているものが多いため、地盤が固くなっている可能性が高いです。
更地であれば、過去にずっと田んぼとして使用された土地などと比較すると、買主としても安心しやすく、成約につながるポイントになります。

メリット②:買い手が見つかりやすい

更地は買主が新築を検討している場合、建物が建ったあとの全体の大きさをイメージしやすくなります。
また、すぐに着工が始められるなどの理由もあり、建物付きの土地のまま売却するよりも、売却がスムーズです。

メリット③:建物に関する責任を負わなくて良い

建物がなければ、売主が建物に対する責任を負う必要がなくなります。
建物を売却したあとに、建物にシロアリ被害や雨漏りなどの欠陥が見つかった場合、売主は買主に対して責任を負わなければなりません。
古い建物の場合、思わぬ欠陥がある可能性が高いため、建物を取り壊して更地にしてしまったほうが、リスクを事前に防げます。

デメリット①:土地の固定資産税が上がる

建物を解体すると、固定資産税の住宅用地の軽減措置が適用されなくなります。
そのため、土地の固定資産税額が通常の金額に戻ってしまい、支払う固定資産税が上がります。
なお、建物は取り壊すため、建物の固定資産税はなくなりますが、土地の固定資産税は最大で4倍程度上がる可能性があるため注意が必要です。
ただし、更地にしたからといって、必ず固定資産税が高くなるわけではありません。
更地にしたほうが固定資産税が安くなるケースもあるため、税務署や税理士などの専門家に確認するのがおすすめです。

デメリット②解体費用がかかる

建物を更地にする場合、建物の解体費用を負担しなければなりません。
一般的には、建物の解体費用は構造によって価格が異なります。
木造住宅で1坪約30万円、鉄骨住宅で1坪約5万円、RC住宅で1坪約6万円です。
また、建物を解体する際は、建物内に家具を残しておくのか回収を依頼するのかによって価格が変動します。

空き家をそのまま処分するメリットとデメリット

空き家をそのまま処分するメリットとデメリット

建物が建ったままの状態での売却手段は、一般的な売却方法であり、売主が売却を急いでいない場合におすすめの手段です。
現在は自分の好みにリフォームしたい方が、中古住宅や空き家を探している買主も多く、土地付きの建物は買主の購入意欲をそそる物件となります。
また、立地条件に優れた物件であれば、すぐに買主が見つかるかもしれません。
空き家をそのままの状態で売却するメリットとデメリットを以下で確認しましょう。

買い手のニーズに合わせられる

現状のまま売りに出すと、買い手がリフォームや修繕の内容を自由に決められます。
買い手のニーズに合わせたリフォームができる余地を残しておくと、幅広い層の買い手を引き付けるでしょう。

解体費用がかからない

空き家をそのままの状態で売却すると、解体費用を負担する必要はありません。
建物を解体するのにかかる費用は、1坪約3万円以上で30坪の土地であれば90万円が必要です。
建物を解体しようとすると、土地の売却益を得る前に、建物を解体するために大きな出費となります。
しかし、そのままの状態で売却すれば、解体費用の負担をしなくて済みます。
私物などの家具をそのままの状態にしておくと、残置物撤去費用がかかるため注意が必要です。

解体工事の手間が省ける

空き家をそのままの状態で売却する場合、建物の解体工事の手間が省けます。
建物の解体工事をおこなう場合、解体工事の専門業者に依頼をしたり、近隣住民に対して解体工事前のあいさつ周りをしたりしなければなりません。
解体工事をしないのであれば、さまざまな手間が省けるのがメリットの1つです。

建物のトラブルが起きる

土地を売却したあとに建物の欠陥が見つかり、トラブルが起きる可能性がある点は、建物が建ったまま売るデメリットの1つです。
建物の欠陥は瑕疵とも呼ばれており、建物が建った状態で土地を売却して瑕疵があった場合は、契約不適合責任を負う必要があります。
つまり、売却後に建物に欠陥が見つかった場合、売主が責任を負わなければならない可能性があるということです。
しかし、買主との交渉によって契約不適合責任を免除してもらう契約も可能です。
古い建物を売買する場合、最初から不具合の予想はできるため、買主との交渉次第ではデメリットにはなりません。

買い手がつきにくい

建物が建った状態のまま売りに出した場合、更地にして売りに出した場合と比較すると、買い手がつきにくくなります。
新築の住宅を建てたいなど土地の購入が目的の買主は、建物を解体しなければ土地が使えないため、ほかの更地の土地に比べると優先順位が下がってしまいます。
また、建物が建った状態のまま売り出すと、古くなった建物の外観に対して悪印象を持たれてしまうかもしれません。

空き家を譲渡するメリットとデメリット

空き家を譲渡するメリットとデメリット

空き家はときどき、無償譲渡されるケースがあります。
無償譲渡とは、無償で誰かに物を譲る行為で、空き家でいうと使用していない建物を不動産会社や譲り受けを希望する方へ無料で譲る行為が無償譲渡にあたります。
不動産を譲渡する場合、対価として金銭を支払うのが一般的ですが、無償譲渡では対価が無料です。
空き家を譲渡するメリットとデメリットを以下で確認しましょう。

固定資産税や管理費用を支払わなくて良い

土地や建物などの不動産を所有していると、固定資産税や管理費用を支払う必要があります。
また、空き家を所有していると、メンテナンスや雑草の処理などの管理も必要で、メンテナンスを管理会社に委託している方もいるかもしれません。
空き家を無償譲渡すると、固定資産税や管理費用の負担がなくなるため、これらの費用が生活の負担になっている場合、空き家を無償譲渡するのも良いでしょう。

近隣住民とのトラブルを回避したい

空き家を放置しておくと、建物の倒壊や不法投棄など、さまざまな原因によって近隣の住民とのトラブルに繋がる可能性があります。
ほかにも、管理が行き届かずに雑草が伸びたり、害虫が繁殖したりするトラブルも考えられます。
近隣住民に損害を与えてしまうと、最悪の場合、損害賠償を求められる可能性もあるでしょう。
無償譲渡で空き家を手放しておくと、近隣住民とのトラブルや賠償の責任などを回避できます。

まとめ

空き家を更地にして売るかそのままの状態にして売るかは、それぞれメリットとデメリットがあります。
処分方法にお悩みの場合は、専門家の助言を受けるのがおすすめです。
土地や建物の状態、メリットとデメリットを考慮したうえで、空き家の処分をご検討ください。