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相続した不動産が空き家になった場合は?管理方法を解説

相続した不動産が空き家になった場合は?管理方法を解説

不動産を相続したものの、後々空き家になってしまうケースは少なくありません。
そこで今回は、このような場合の管理方法について解説します。
また、放置するデメリットや問題の解決策についても詳しくご紹介します。
相続した不動産でお困りの方は、ぜひ今後の参考にしてみてください。

相続した不動産が空き家になった場合の管理方法は?

相続した不動産が空き家になった場合の管理方法は?

空き家を相続した場合、どのように管理すると良いのでしょうか。
以下では、相続した不動産が空き家になった場合の管理方法を詳しく見てみましょう。

換気をする

換気は建物の劣化防止に必須です。
建物が劣化する主な要因の一つは湿気です。
湿気が存在すると、建物の各所にカビが発生し、素材が徐々に傷みます。
その結果、耐久性が低下し、倒壊リスクが高まってしまうでしょう。
一戸建ての場合、多くは木造建築ですが、木材は湿度により腐りやすい特性があります。
カビだけでなく、害虫や害獣が発生する可能性もあるため、定期的なメンテナンスが必要になるため、注意するようにしましょう。
換気をおこなうことで室内の湿気を取り除き、建物の劣化防止効果を高めることができます。
たとえば、窓を開けることで新鮮な空気を入れ、湿度を下げることができます。
また、地域によっては除湿器の利用も効果的です。
とくに九州地方では湿気が気になりやすいため、必要に応じて除湿器を利用することをおすすめします。

通水する

通水は、空き家の劣化防止に直接関係ないと思われている方もいるのではないでしょうか。
しかし、実際には害虫や害獣の防止効果がある管理方法として知られています。
水道管のなかには常に水が溜まっている状態です。
使用しない期間が長くなるとその水が蒸発し、虫や生き物が水道管内を移動できるようになってしまいます。
その結果、室内に害虫や害獣が侵入し、問題が発生することがあります。
こうした問題を防ぐためには、定期的に水を流すことが必要です。
通水をおこなうことで、水道管の乾燥を防ぎ、錆びや破裂といった問題を予防することができます。
水を1分程度流すだけで対策できるため、管理の際には徹底するようにしましょう。

掃除をする

掃除をおこなうと、建物が綺麗になるだけでなく、衛生環境も整い、害虫や害獣の影響を受けにくくなります。
とくに見逃しがちな部分は建物の外です。
たとえば、庭を放置すると雑草が生え、害虫が発生しやすくなります。
害虫は空き家だけでなく、近隣の家にも侵入する可能性があるため、対策は必須です。
掃除をおこなうことで、衛生的かつ美しい状態を維持でき、空き家が劣化するのを防ぐことができます。
定期的なお手入れは、建物の品質を維持するために重要になります。

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相続した空き家を放置するデメリットは?

相続した空き家を放置するデメリットは?

空き家の管理が面倒だとつい放置してしまいがちです。
以下では、相続した空き家を放置するデメリットについて見ていきましょう。

価値が下がる

相続した空き家を放置すると、不動産価値が下がるリスクがあります。
管理されていない建物は、倒壊リスクが高くなり、害虫や害獣が発生するなどの瑕疵が生じる可能性があります。
こうしたマイナス要因は、不動産売却に大きな影響を与えるでしょう。
売却時に査定金額が低くなり、十分な収益を得られなくなることがあります。
建物の価値がゼロと判断され、土地だけの価格で取引されるケースも珍しくありません。
その結果、解体して更地にしてから売却する場合もあります。
また、そのまま売却できたとしても、買主が見つかる保証はありません。
資産価値が低い物件は需要も低く、購入希望者が見つかりにくいと考えられるでしょう。
いつまで経っても買主が決まらず、売却活動が長引くリスクも考慮する必要があります。

特定空家に指定される

空き家を放置していると、特定空家に指定される恐れがあります。
特定空家は景観を乱したり、近隣に迷惑をかけたりするなど、さまざまな問題が見られる空き家を対象としています。
特定空家に指定された場合、建物を放置し続けるのが難しくなるでしょう。
自分自身で管理をおこなうか、売却や解体など、何らかの対処が必要になります。
さらに、固定資産税に対する住宅用地特例が利用できなくなる点もデメリットといえるでしょう。
この特例が解除されると、固定資産税が6分の1となる特例が適用されなくなり、税金の負担額が増加します。
近年、日本国内で空き家に関するトラブルが問題視されており、行政も問題解決のために指導を強化しています。
空き家に関する法律やルールは厳しくなりました。
そのため、早急に対応しないと自分に不利な結果を招く可能性があるため、注意するようにしましょう。

所有者責任

空き家を相続した方には、所有者としての責任があります。
たとえ自分に過失がなくても、建物の設置や保存に問題があった場合には責任を負わなければなりません。
これは民法によって定められています。
たとえば、建物が経年劣化により崩れ、近隣住民がケガをした場合、その責任を負う必要があります。
空き家を放置すると劣化が進み、こうした問題が発生するリスクが高まってしまうでしょう。
トラブルが発生し責任問題に発展する可能性を考慮すると、早めに対策を講じることが重要です。

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所有している不動産を空き家状態にしないための解決策は?

所有している不動産を空き家状態にしないための解決策は?

不動産を空き家にしないためには、なにをすべきなのでしょうか。
以下では、空き家状態にさせないための解決策を見てみましょう。

解体する

建物を解体することで、空き家問題そのものを解決することができます。
解体後には何も残らず、収益を得られるわけではありませんが、放火や空き巣などのリスクを減らすことが可能です。
そのため、解体には一定のメリットがあります。
ただし、解体には費用がかかってしまうのはデメリットともいえるでしょう。
建物の構造や規模によって費用は異なりますが、ある程度のまとまった資金が必要となるため、注意が必要です。

譲渡する

相続した不動産を誰かに譲渡する方法もあります。
もし不動産を所有したいと考えている方が周囲にいる場合は、譲渡を検討してみてください。
この場合、固定資産税の負担がなくなり、管理の必要もなくなるなど、さまざまなメリットがあります。
ただし、通常、この譲渡は無償でおこなわれることが多いです。
そのため、収益を得たいと考えている方には適していないでしょう。

売却する

収益を得たい場合は、売却がおすすめです。
まだ劣化が進行していない場合、ある程度の収益を得られる可能性があります。
査定額が低くても、土地の価値は残っているため無駄にはなりません。
近年では不動産投資を始める方が増えているため、投資用として市場に出す方法もあります。
これにより、運用によって収益を得たいと考えている投資家にリーチできる可能性があります。
ただし、投資用の場合はリフォームが必須です。
劣化状態によっては高額な費用がかかるため、資金に余裕がある場合に限られます。
もし資金的に余裕がない場合は、売却を検討するのが良いでしょう。
すぐに売りたい場合は、不動産会社に買取を依頼する方法もありますので、状況に応じて選択してください。

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まとめ

相続した不動産を管理するには、換気や通水などの方法があります。
放置すると特定空家に指定されてしまうリスクがあるため、そのままにするのは避けましょう。
売却や解体などの方法で有効活用できないか考えてみましょう。