土地の評価額を知りたい!5つの評価額の特徴と調べ方を解説

土地の評価額を知りたい!5つの評価額の特徴と調べ方を解説

土地の売却を検討する際、おおよその目安程度であっても、どのくらいの金額で売れそうかを確認したうえで考えたいと思われる方は、多いのではないでしょうか。
そんな場合に役立つのが、土地の評価額です。
この記事では、土地の評価額とは何なのかや、5つの評価額の特徴、調べ方を解説します。

土地の評価額とは?

土地の評価額とは?

まずは土地の評価額について、どのようなものなのか解説します。

一般的には固定資産税評価額を指す

土地の評価額にはいくつかの種類がありますが、一般的には固定資産税評価額が指されることが多いです。
固定資産税評価額とは、固定資産税の算出基準となる評価額です。
宅地や田、畑などの種類(地目)や形状、立地などに基づいて評価がおこなわれ、金額が決定されます。
土地と建物はそれぞれ別に評価されるため、注意が必要です。
この評価額は、固定資産税のほか、都市計画税や不動産取得税、登録免許税などの算出基準にも使用されます。

固定資産税評価額と売却額は同じではない

固定資産税評価額は、固定資産税額を算出する際の基準として使用される金額であり、予想される売却額ではありません。
一般的に、固定資産税評価額は実勢価格の6〜7割程度とされています。
そのため、売却相場の目安や実際の売却額を把握するための参考として活用されることが多いですが、あくまで参考程度の金額である点に注意が必要です。

何を調べたいかによって確認すべき評価額は違ってくる

固定資産税評価額は、土地に対する評価の1つに過ぎません。
ほかにも路線価や実勢価格など、いくつかの評価方法があります。
評価額の種類によって、確認できる内容が異なる点に注意が必要です。
たとえば、固定資産税評価額は固定資産税や実勢価格の確認には適しています。
しかし、相続税を確認する際にはあまり参考になりません。
土地の目的や確認したい内容によって、適切な評価額を使い分ける必要があります。

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土地の5つの評価額の特徴

土地の5つの評価額の特徴

ここからは、土地に対する5つの評価額について、それぞれの特徴や確認できる事柄をご紹介します。

固定資産税評価額

すでにお伝えしたように、固定資産税評価額は固定資産税や都市計画税などの課税額を求める際の基準となる金額です。
一般的には時価の6〜7割程度とされており、おおよその売却価格の目安としても活用されています。
固定資産税評価額は市町村によって計算され、3年ごとに見直されます。

公示地価

公示地価は、全国に25,000地点以上存在する標準地の価格です。
毎年1月1日時点での標準地1平米あたりの価格が、2人以上の不動産鑑定士によって調査・鑑定され、国土交通省の土地鑑定委員会が毎年3月に発表します。
公示地価は公共事業における用地買収価格の算定基準として用いられるほか、土地価格の目安としても活用されています。
毎年公開されるため、市場の状況がより反映されやすいです。

基準地価

基準地価は、全国に2万地点以上存在する基準地の1平米あたりの価格です。
内容だけを見ると公示地価とほぼ同じですが、基準地価は7月1日時点の価格が9月に公表される点や、各都道府県によって調査・発表される点で異なります。
基準地は公示地価の標準地とは異なる場所に設定されていますが、同じ場所に設定されることもあります。
毎年公表されるため、より市場の実態が反映されやすく、土地価格の目安として活用することが可能です。
公示地価と比較することで、大まかな土地価格の推移を確認することができます。

路線価

路線価とは、道路に面している宅地の1平米あたりの価格です。
一般的には、国税庁が発表する相続税路線価を指すことが多いです。
しかし、市町村が発表する固定資産税路線価も存在するため、混同しないよう注意するようにしましょう。
相続税路線価は、その土地を相続した際に課せられる相続税や贈与税の基準となる価格で、税計算の関係上、公示地価の約8割と定められています。
一方、固定資産税路線価は固定資産税などの基準となる価格で、こちらは公示地価の約7割程度とされています。

実勢価格(時価)

実勢価格とは、実際に成立した取引の価格です。
実際に売買が行われた価格であるため、一般的にはもっとも参考にしやすい価格といえるでしょう。
固定資産税評価額は、実勢価格の約6〜7割程度が一般的とされています。
ただし、実勢価格は過去の取引価格であるため、現在の市場動向が価格に反映されない点には注意が必要です。
周辺地域の実勢価格を参考にして、地域の相場を確認することが可能です。

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それぞれの評価額の調べ方

それぞれの評価額の調べ方

これまでご紹介した5つの評価額について、それぞれ調べ方や計算の仕方を解説します。

固定資産税評価額の調べ方

固定資産税評価額は、固定資産税の納税通知書と一緒に送付される課税明細書で確認することが可能です。
確認したい土地の価格や評価額が記載されています。
課税明細書が届いていない場合や紛失した場合には、役所に申請して固定資産評価証明書を取得することで確認できます。
役所の窓口に出向く必要があり、手数料が発生する点に注意してください。
確認だけで済む場合は、固定資産課税台帳を閲覧する方法もあります。
こちらも役所に申請する必要がありますが、自治体によっては無料で閲覧できる場合があります。

公示地価と基準地価の調べ方

公示地価と基準地価は、国土交通省のWEBサイト「不動産情報ライブラリ」で確認できます。
住所などの条件を指定する検索方法と、地図から確認したい地点を探す方法が用意されていますので、いずれかの方法を選択してください。
また、一般財団法人資産評価システム研究センターが運営する「全国地価マップ」でも調べることができます。
ただし、国土交通省が公表している金額と一致しない場合があるため、より正確な金額を確認したい場合は、国土交通省のサイトで調べることをおすすめします。

路線価の調べ方

国税庁のWEBサイト「路線価図・評価倍率表」で確認できます。
まず、確認したい年度と都道府県を選択し、遷移したページで路線価図をクリックします。
すると、選択した都道府県内の市区町村へのリンクが表示されますので、確認したい市区町村を選んでください。
最後に、選択した市区町村の地名ごとに路線価図へのリンク一覧が表示されます。
複数ページにわたる路線価図もありますので、確認したい土地を慎重に探してください。
難しい場合やより正確な金額を求める場合は、税理士に依頼して確認してもらうことをお勧めします。

実勢価格の調べ方

実勢価格は公的機関が公表していないため、固定資産税評価額から計算して求める方法が最も手軽でおすすめです。
実勢価格は、固定資産税評価額を0.7で割ることで計算できます。
式は「実勢価格 = 固定資産税評価額 ÷ 0.7」です。
ただし、この計算方法はあくまで目安であり、実際の実勢価格とは異なる可能性があるため、注意が必要です。
より正確な実勢価格を確認したい場合は、不動産会社に依頼して査定してもらうことをおすすめします。
地域に強い不動産会社であれば、その土地の特徴などを踏まえて実勢価格を算出してくれるでしょう。

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まとめ

土地の評価額とは、一般的には固定資産税評価額を指します。
売却額の目安として活用できますが、実際の売却額とは異なる点に注意してください。
土地の評価額は固定資産税評価額を含め、5種類あります。
実勢価格は計算で求められますが、他の評価額はそれぞれ公表している公的機関のWEBサイトで確認が可能です。