空き家問題とは?空き家が増え続ける原因や対策を解説
近年、増え続ける空き家の数に歯止めをかけるべく、国が本腰を入れて対策に乗り出しています。
所有している空き家を放置し続けるとペナルティを科されるおそれがあるため、できる限り早めに対処することが大切です。
そこで今回は「空き家問題とは何か」をテーマとし、空き家の数が増え続ける原因や空き家問題への国の対策について解説します。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
空き家問題とは何か?
「空き家問題」については耳にしたことがあっても、具体的にはどのような現状なのかがよくわからない方も多いでしょう。
まずは、空き家問題とは何かについて概要を解説します。
そもそも空き家とは?
空き家に関する明確な定義は存在しませんが、総務省では空き家を「賃貸用の空き家」「売却用の空き家」「二次的住宅」「賃貸・売却用および二次的住宅を除く空き家」の4種類に分けています。
賃貸用・売却用の空き家とは、誰かに貸すため、もしくは売却するために一時的に空き家となっている住宅です。
二次的住宅とは、別荘をはじめ休暇のときなどに使われる住宅を指します。
そしてそれ以外の空き家が「賃貸・売却用および二次的住宅を除く空き家」に分類されます。
空き家問題とは?
空き家問題とは、簡単にいえば誰も住まなくなった空き家によってさまざまな被害がもたらされることを指します。
具体的には空き家の劣化に伴う景観や衛生環境の悪化、倒壊リスクの高まりなどです。
たとえば老朽化した空き家が放置され続けると、自然災害などが発生したときに倒壊して近隣の方に被害を与えてしまいかねません。
また誰も住まなくなった空き家が廃墟と化した結果、ゴミの不法投棄がなされるようになって衛生面で甚大な被害をもたらすリスクも考えられます。
空き家問題の現状とは?
総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、2023年10月1日現在において日本には6,504万7,000戸の住宅が存在しています。
そのうち、空き家の数はじつに900万戸にのぼります。
ちなみに2018年におこなわれた調査では、空き家の数は848万9,000戸でした。
空き家の数は年々増え続けており、過去最多を記録しているのが現状です。
また総住宅数に占める空き家の割合も13.8%と、前回から0.2ポイント上昇しました。
▼この記事も読まれています
相続空家の特例は共有名義でも適用できる?併用の可否と一緒に解説
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
空き家問題の原因
全国的に空き家が増え続けている背景には、さまざまな原因が考えられます。
ここでは、空き家問題の原因について解説します。
原因①少子高齢化による後継者不足
空き家問題の原因として、少子高齢化が挙げられます。
現在の日本では少子高齢化が進展の一途をたどっており、国民の4人にひとりが高齢者であるといわれています。
高齢化社会が現出するなかで問題となるのが、家の跡継ぎがいない点です。
たとえば田舎に家を所有している高齢者が介護施設に入居したり、亡くなったりしたときに家を継ぐ者がいなければ、必然的に空き家となってしまいます。
原因②管理不足
近年は核家族化も進展しており、親元とは別の場所に世帯を構える方は多い傾向にあります。
そのため親が亡くなって田舎の実家を相続しても、すでに住まいを構えているときには使い道がなく持て余してしまう方もいらっしゃいます。
しかし実家が遠方にあるときには、定期的に空き家の維持・管理をしに行くことが難しいのが実情です。
定期的にメンテナンスがなされない空き家は劣化スピードが早く、老朽化が進む一方です。
このように管理不足が原因で、危険な空き家が生み出されることがあります。
原因③売却したくても需要がない
使い道のない空き家を売却したいと考えても、需要がないために買主が見つからず放置されることもあります。
基本的に日本では新築信仰が強く、中古住宅の人気はそれほど高くないのが実情です。
それでも立地条件の良い空き家ならすぐに買主が見つかる可能性はありますが、立地条件が悪いと何年も売れ残ってしまうケースは珍しくありません。
売りたくても売却できないために、空き家の数が増え続けてしまうわけです。
原因④固定資産税が高くなる
空き家を解体して更地にすれば、空き家問題のリスクはなくなります。
しかし空き家を更地にすると、それまで適用されていた住宅用地の特例の対象外となってしまいます。
住宅用地の特例は居住用の家屋が建っている土地の固定資産税が最大で6分の1に軽減される制度です。
つまり固定資産税の増税を防ぐために、空き家を解体せずに所有し続ける方もいるのです。
また空き家を解体するには、100万円以上の費用がかかります。
解体費用を負担したくない所有者の心理も、空き家の数の増大化につながっています。
▼この記事も読まれています
家族信託のやり方と流れは?必要書類と注意点を解説
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
空き家問題を解消するために国が打ち出している対策
増え続ける空き家に対して、国も手をこまねいているわけではありません。
ここでは、空き家問題を解消するために国がおこなっている対策や所有者としてできる対策について解説します。
空き家問題への対策①空き家対策特別措置法の施行
増え続ける空き家の数を食い止めるべく、国は2015年に空き家対策特別措置法を施行しました。
この法律では、自治体は長期間放置されていて倒壊のおそれがある空き家を「特定空家」に指定できるようになっています。
特定空家に指定されると住宅用地の特例の対象から外されるため、固定資産税の負担が大幅に増えてしまいかねません。
また自治体からの改善命令を無視して放置を続けると、50万円以下の過料に処される可能性がある点に注意が必要です。
最悪のケースでは行政代執行によって空き家を強制的に解体され、解体費用を請求されるおそれがあります。
もし解体費用を支払えないときには、現在住んでいる家や使用している車などの財産を差し押さえられる可能性があるため要注意です。
空き家問題への対策②空き家バンクを利用する
空き家バンクとは、空き家を売りたい方と買いたい方を結び付けるマッチングサービスです。
自治体や委託団体が運営しており、無料で利用できる点がメリットです。
地方へ移住して老後を過ごしたい、地元に戻ってお店を開きたいなどの理由で地方にある空き家を探している方もいるため、需要のない空き家でも買主が見つかる可能性があります。
空き家問題への対策③空き家管理サービスを利用する
空き家が遠方にあって自分で管理するのが難しいときは、不動産会社に空き家の管理を依頼すると良いです。
空き家管理サービスを依頼すれば、定期的に空き家の点検や換気、清掃などをおこなってくれるので、老朽化の速度を遅くできます。
自治体から特定空家に指定されるリスクも回避しやすいのがメリットです。
空き家問題への対策④売却する
今後も空き家を活用するつもりがないのなら、売却することをおすすめします。
売却すれば空き家を管理しなくて済むばかりか、固定資産税も納めなくて良くなります。
まとまった現金も手に入るので、そのお金を元手に住み替えを検討することも可能です。
空き家をどのようにして売却したら良いのかがわからないときは、不動産のプロである不動産会社にご相談ください。
適切なターゲットや売り出し価格の設定、効果的な売却方法などのアドバイスをおこなうので、より売却できる確率を上げられるでしょう。
▼この記事も読まれています
相続の養子縁組とは?節税面でのメリットと注意点を解説
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
まとめ
空き家問題とは、老朽化が進んでさまざまなリスクをはらんだ空き家の数が増え続けることです。
空き家問題の原因としては少子高齢化の進展、所有者の管理不足による老朽化などが挙げられます。
空き家の所有者ができる空き家問題の対策には、空き家管理サービスの利用や売却などがあります。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む